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うさぎのつぶやき

京都2020.08.18
令和2年 五山送り火に願いを

今年は、夏の伝統行事である 京都五山送り火 も、例年とは違う形で行われました。

新型コロナウイルス対策として、見物客が密集することを避けるため、規模を大幅に縮小し、点火箇所を絞って文字や形をなさない送り火という異例な形となったのです。

  毎年8月16日の午後8時から約1時間、京都市内を囲む山腹が炎で灯され、巨大な「大」の文字が2つ、「妙・法」の文字、「舟」「鳥居」の形が闇の中に浮かび上がり、京都五山送り火と呼ばれています。いつ頃から行われているか定かではありませんが、室町時代から江戸時代にかけて定着したとされています。

 京都では8月に入ると、個々の家でお精霊(しょらい)さん(先祖の霊)を迎える行事が行われます。16日に行われる五山の送り火は、この先祖の霊を再び冥土に導き、先祖の霊や生きている人の無事息災を祈るという行事なのです。 亡き人をしのび、家族に思いを寄せる大切な習わしですね。

まず東山の如意ケ嶽の中腹に火がともされ、「大文字」が浮かび上がります。続いて、松ケ崎の「妙・法」、西賀茂の「舟形」、大北山の「左大文字」、そして、嵯峨の「鳥居形」へと、東から西へ順々に点火されていきます。ほんの短い時間ですが、夜空に浮かび上がるその姿は壮大で、5つの送り火すべてが京都市登録無形民俗文化財となっています。 

 昔、太平洋戦争中に、灯火管制や薪(まき)の不足で、送り火が中止を余儀なくされたことがありました。 その際には、地元住民の呼び掛けで、人文字で「大文字」が描かれたのです。 白体操着の国民学校生(小学生)400人と白シャツ姿の市民たち、合わせて800人が、早朝の如意ケ嶽に登り、文字を象りました。その様子は、「山腹にパッと白の大文字咲いて」と当時の新聞に報じられています。どんな大変な状況の中でも、大切なことは伝承したいという思いが感じられます。 

 今回も感染拡大防止のためとは言え、大切な意味を持った伝統行事を中止にしても良いものか、各保存会と「京都五山送り火連合会」では長い時間をかけて議論を重ね、悩みに悩んだ末、大幅に規模を縮小しての実施となったそうです。

また、「大切な人のため 送り火は家(うち)から」を合言葉に、自宅やテレビ、インターネット配信で今年の送り火を見るよう呼び掛けて、NHK・BSプレミアムやKBS京都などで生中継が行わました。 

 私もテレビの生中継で、送り火が次々と点灯されてゆく様子を拝見しました。 点火前には新型コロナウイルスで亡くなった方や、九州を中心とした7月の豪雨災害の犠牲者のために黙とうがささげられ、午後8時の合図とともに東山如意ケ嶽の「大文字」火床6カ所が一斉に点火されました。 僧侶の読経を聞きながら、燃え盛る炎を見つめているうちに、ご先祖様に想いを馳せ、自然と手を合わせておりました。 天候も良く、揺れ動く炎のひとつひとつが美しく見えて、とても厳かに感じられましたので、こんな静かな送り火も良いものだと思いました。 

様々な人の思いや願いが込められた京都五山送り火。 来年は全てが点灯して行われることを心から祈っております。

 東山大文字2020.jpeg

東山如意ケ嶽の「大文字」 (撮影者 岡田照子さん 撮影地 寺町御池)

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